20200206 納税する義務から寄付する権利へ 公共的な機能を維持する費用は、税金によって賄うだけではなく、税制優遇措置を拡大させることで寄付を奨励することによっても調達できます。国民間の様々な差異にかかわらず、全ての国民に等しく遍く提供されるべきものについては、税金によるのが適当でしょうが、逆に国民間の様々な差異が尊重されるべきものについては、寄付によるほうが適当ではないでしょうか。 成長戦略
20200130 ヒトでなしの顧客にモノを売ってどうする 事業においては、顧客があるのではなく、顧客の求めるモノがあるのです。そして、モノ消費からコト消費への転換が進むなかでは、顧客の求めるモノすらなく、顧客が求めているコトしかないのです。しかし、産業界の伝統的な思考形態は、ヒトとしての顧客にモノを売るという枠組みのなかにあるようです。さて、いかにして発想の転換は可能になるのか。 成長戦略
20191212 倹約するな 金融庁の老後2000万円報告書は、思いがけない経緯で有名になり、多くの国民に老後生活の経済的基盤を考えさせる契機を与えて、金融庁の意図は曲がった形で実現したのですが、曲げられてはならない重要な点は、金融庁が描いたのは老後における質素な倹約生活ではなく、倹約しない豊かな消費生活であり、そのための財源の確保だったということです。 成長戦略
20180208 瀕死の病人の水虫も治療すべきか 医療には昔から哲学的難問がつきまといます。例えば安楽死の問題です。生命の維持が医療の目的ならば、いかに苦痛を伴っても最後の最後まで可能な限りの手を尽くすべきですが、それでは生命を維持する目的に反することにならないのか。目的は、より大きな目的に拘束されるとしたら、瀕死の病人の水虫の治療は、医療の目的を喪失してはいないか。このように、目的の連鎖の先に究極の目的を考えることは、医療を超えて、どこでも常に難問を惹起するのです。 成長戦略
20180201 悪魔の経済計算と計算不能な価値の多様性による成長戦略 科学技術は無限に進化し、新領域を創造するでしょうが、同時に、多くの既存の領域では技術的に成熟していきます。その成熟のなかで、更なる技術の高度化により製品の品質や性能を改良しようとしても、それに要する限界費用は逓増していく一方で、改良の限界効果は逓減していかざるを得ず、どこかで費用を価格に転嫁することが困難になるはずです。このとき技術革新は意味を変えなくてはなりません。さて、成熟領域での新たな技術革新は、どうあるべきか。 成長戦略
20170817 投資におけるインパクトとは何か 資本主義経済は、資本の自律的な運動のみによっては、持続的な成長と富の公正な分配を実現できません。そこで、国家の積極的な介入による軌道修正が必要とされるのですが、それとても、日本の現実に象徴されるように、機能の限界に達しつつある感を否めません。そこで、新たに求められてくるのが社会的インパクト投資です。さて、インパクトとは何か。 成長戦略