20140227 投資詐欺事件における信託銀行の責任 AIJという会社による投資詐欺事件がありました。普通ならば犯罪者だけが非難されるべきところ、年金基金は被害者になったことで非難され、投資運用業界は内部から詐欺師をだしたことで非難されるという異常な展開となるなかで、重要な関連当事者であった信託銀行の責任は論じられませんでした。 フィデューシャリー・デューティー
20140220 信託の合同運用における法創造 信託の合同運用というのは、複数の異なる信託に属する資産について、一括して運用することで効率性を高めるために、別に共通の信託を作って、そこに統合して委託する仕組みです。企業年金の資産運用のための年金信託では、事実としては、古くから多用されてきた一方で、法律論としては、当初から議論がありました。 フィデューシャリー・デューティー
20140213 信託の受託者の忠実義務 信託の受託者には、専らに受益者の利益のために行動しなければならないという厳しい規範が課せられます。この行為規範が忠実義務です。忠実義務は、信託という制度を根底において支える理念的要請であり、また信託法にも明示される法定の義務です。さて、その実質的内容とは何でしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20140206 金融危機さなかの信託銀行批判 1997年11月24日、山一證券の野澤社長は、「みんな私らが悪いんであって、社員は悪くありませんから」という有名な涙の記者会見を行い、自主廃業を発表しました。この11月は、先に三洋証券と北海道拓殖銀行が相次いで破綻しており、日本の金融の大きな転換点となった深刻な危機の開始を告げたときです。 フィデューシャリー・デューティー