20180208 瀕死の病人の水虫も治療すべきか 医療には昔から哲学的難問がつきまといます。例えば安楽死の問題です。生命の維持が医療の目的ならば、いかに苦痛を伴っても最後の最後まで可能な限りの手を尽くすべきですが、それでは生命を維持する目的に反することにならないのか。目的は、より大きな目的に拘束されるとしたら、瀕死の病人の水虫の治療は、医療の目的を喪失してはいないか。このように、目的の連鎖の先に究極の目的を考えることは、医療を超えて、どこでも常に難問を惹起するのです。 成長戦略
20180201 悪魔の経済計算と計算不能な価値の多様性による成長戦略 科学技術は無限に進化し、新領域を創造するでしょうが、同時に、多くの既存の領域では技術的に成熟していきます。その成熟のなかで、更なる技術の高度化により製品の品質や性能を改良しようとしても、それに要する限界費用は逓増していく一方で、改良の限界効果は逓減していかざるを得ず、どこかで費用を価格に転嫁することが困難になるはずです。このとき技術革新は意味を変えなくてはなりません。さて、成熟領域での新たな技術革新は、どうあるべきか。 成長戦略
20170817 投資におけるインパクトとは何か 資本主義経済は、資本の自律的な運動のみによっては、持続的な成長と富の公正な分配を実現できません。そこで、国家の積極的な介入による軌道修正が必要とされるのですが、それとても、日本の現実に象徴されるように、機能の限界に達しつつある感を否めません。そこで、新たに求められてくるのが社会的インパクト投資です。さて、インパクトとは何か。 成長戦略
20160901 銀行よ、カネに豊かな色をつけてみよ カネに色がないならば、カネを商材にしている銀行において、どうして差別化が可能なのか。そもそも、無色透明の一般的なカネを、無色透明なカネとして扱うことで、どうして付加価値を生み得るのか。銀行は、カネに色をつけることで、本源的な付加価値を生み、色の違いという差別化を競うものではないのか。ならば、銀行よ、カネに個性豊かな色をつけて、世の中を明るくしてみよ。 成長戦略
20160609 カネは、モノに換えない限り、太らない マイナス金利というのは、事実として現に起きていることですが、資本主義経済体制を支える原理の根幹にかかわる問題であって、早急に解消することが必要です。そのためには、わざわざ費用をかけてカネをもつくらいなら、カネをモノに換えたほうが得だ、即ち、カネを使い切るほうが得だというマインドが生じなければならない、それがデフレマインドからの脱却の意味ですが、さて、どうすれば、そうなるのか。 成長戦略
20160317 産業界よ、カネを使い切れ、マイナス金利なのだから 日本銀行が踏み切った「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」は、はたして、有効なのか。この金融政策の背景に、デフレマインドからの脱却を目指す意図のあることは明瞭ですが、金融政策に可能なのは、デフレマインドからの脱却を加速させることだけで、デフレマインド自体を転換させることはできないのです。ならば、政策が有効であるためには、何が必要なのか。 成長戦略
20160114 決して潰しませんという銀行の確約 企業経営に浮沈はつきものです。故に、銀行にとって、多くの融資先企業のなかには、少数とはいえ、経営不振に陥り、破綻の危機に瀕するものがでることは、避け得ません。このとき、古くから銀行経営の究極の難問とされてきたことは、どこまで破綻回避へ向けた支援をするのかということです。さて、決して潰さないという確約は、銀行にとって可能なのか。 成長戦略
20151210 雨が降ったら傘を差し出す金融へ 晴れには傘を貸し、雨が降ったら傘を取り上げる、これは、銀行等の融資姿勢を皮肉った譬えとして、昔から使われているものです。企業の業況のいいときには喜んで融資をし、業況が悪化したとたんに融資を引き上げようとする銀行等の傾向については、確かに、金融の社会的機能の面から、批判的に検討する余地がありそうです。 成長戦略
20150226 迫りくる銀行の危機 銀行というのは、預金者からお金を借りて、法人等へお金を貸すことで、利鞘を得る商売です。要は、安く借りて、高く貸す、そこに尽きてしまいます。では、借りる金利と貸す金利が同じになってしまったら、ましてや、貸す金利のほうが低くなってしまったら、どうなるか。いま、銀行業の基礎を揺るがす本質的な危機が迫っているのではないか。 成長戦略
20140626 公共ファイナンスの視座 何が公共の事業であるべきなのか、そのこと自体が難しい問題ですが、現実に、公的部門から供給されるサービスに対して、利用料が徴収されているものが少なからずあるわけです。これらの事業は、利用料というキャッシュフローを生んでいるのですから、理論的には、民営化できるし、完全には民営化しなくとも、民間部門と連携した独自の金融や経営の仕組みを考え得るはずです。 成長戦略