20170112 顧客満足は顧客本位ではない 顧客本位は、間違いなく、顧客満足につながります。しかし、顧客満足は、必ずしも、顧客本位とは限りません。消費においては、顧客の満足は、商品やサービスの実質的な機能よりも、機能を超えたところにある抽象的なもの、ふわふわとした夢や幻想のようなものに依存するからです。しかし、金融をはじめとして、いくつかの社会的に重要な機能については、実質的な内容の充実、即ち、顧客本位に基づく顧客満足を実現することが必要なのです。 フィデューシャリー・デューティー
20161013 金融における葡萄畑の宝探し イソップの寓話集にある葡萄畑の宝探しの話は、金融に置き換えて、その寓意を考えると、徹底した顧客志向こそ、金融機関の利益である、ということになるでしょう。これを、金融のなかでも、資産運用関連の業務についていえば、フィデューシャリー・デューティーの徹底こそ、金融機関の利益である、ということです。顧客とは、自分の葡萄畑のことであり、そこに宝物が隠れているのです。 フィデューシャリー・デューティー
20160421 弁護士はフィデューシャリーとして喜んで成仏すべきか 今、金融界では、フィデューシャリーとしての義務が非常に注目されています。実は、フィデューシャリーの代表は弁護士なのですが、そこでは、専らに社会のために働いて、かろうじて生活が維持でき、最後に成仏できれば、それでいいではないかという成仏理論を唱える人もいます。さて、フィデューシャリーとして生きることは、金融機関としても、弁護士としても、経済的に報われないのか。 フィデューシャリー・デューティー
20160303 みずほの資産運用改革、ここまで徹底したらどうだ みずほフィナンシャル・グループは、2月12日に、主要金融グループとしては初めて、「〈みずほ〉のフィデューシャリー・デューティーに関する取組方針」を公表し、資産運用関連業務の高度化へ向けて、歴史的に重要な第一歩を踏み出しました。みずほよ、どうせ改革するなら、徹底的にやって、日本の業界秩序を根底から覆し、資産運用の覇者を目指すべきではないか。今後の展開に、大いに期待していますぞ。 フィデューシャリー・デューティー
20160218 すごいぞ、みずほ、資産運用改革の旗手になれ みずほフィナンシャル・グループは、2月12日に、「〈みずほ〉のフィデューシャリー・デューティーに関する取組方針」を公表しました。金融庁がフィデューシャリー・デューティーの徹底を求めたことに呼応し、主要金融グループの一角において、こうした自主自律的な対応が率先してなされたことは、中長期的企業価値の向上を目指す金融機関経営への転換、および、金融機関の自律性を重視する金融行政手法の革新を象徴するものとして、歴史を画するものです。すごいぞ、みずほ。 フィデューシャリー・デューティー
20151112 金融におけるフィデューシャリー関係の成立 人が他人を信じて何かを託することは、人と人をつなぐ絆として、人間社会を成立させる根本的な行為です。他人を信じて何かを託した人は、託したことを、その他人が忠実に執行してくれることを期待します。その期待は、信頼に基づくものです。金融取引は、多くの場合、こうした信頼に基づきますが、さて、その信頼は、どの程度まで、また、どのようにして、保護されるべきでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20151105 金融機関の「お約束」を厳格に守らせるためには どの金融機関でも、非常に立派な経営理念や社是のようなものを掲げていて、そこでは、お客様本位とか、お客様の信頼に応えますとか、お客様の利益を第一にとか、同工異曲の美辞麗句が並んでいます。どうみても、所詮は、営業用のおまじないと思われますが、さて、それでいいのでしょうか、厳格な規範として、顧客に確約されるべきものではないのでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20151029 フィデューシャリー・デューティーを規制と考える金融機関に未来はない 金融庁が金融機関に対してフィデューシャリー・デューティーの徹底を求めているからといって、それは金融規制の強化ではないのです。なにしろ、金融庁からは、施策を具現化したルールなど、何一つ出されていないのですから。フィデューシャリー・デューティーは、各金融機関の自主的な取り組みとして、徹底されるのです。では、金融機関の取り組みへの誘因は何か。いうまでもなく、企業価値の向上です。 フィデューシャリー・デューティー
20151022 総合型企業年金基金が「フィデューシャリー宣言」をする意義 厚生年金基金は、不幸にも、また不当にも、事実上、廃止されました。多くの基金は、解散への道を歩むほかなくなったのですが、一部の優良基金では、確定給付企業年金基金への改組によって、存続しようとする真摯な努力がなされています。さて、その際の鍵は、基金の社会的な存在意義の確立だと思われるのですが、それこそ、「フィデューシャリー宣言」の機能と同じものではないでしょうか。 フィデューシャリー・デューティー
20151015 フィデューシャリー・デューティーの長く広い射程 金融庁は、昨年の9月に、フィデューシャリー・デューティーを初めて導入し、今年、来年と、その徹底を図るとしています。これに対して、金融界は、未だに、金融庁の真意を、十分には受け止め得てはいないようです。それは、フィデューシャリー・デューティーが、金融行政手法の革命的転換の象徴として、大きな背景をもつからなのですが、では、その射程は、金融全体のどこにまで及び得るのか。 フィデューシャリー・デューティー