20200305 金融庁は瀕死の銀行の水虫を治療してどうするのか 銀行、特に地方銀行は瀕死の状態にあるといっても過言ではありません。この重篤の病は、銀行業そのものの存在意義にかかわる究極の危機であって、金融の全体構造を大胆に変革しない限り、克服できないものです。しかし、金融庁は、危機を直視せず、困難な改革を放棄して、身近な些事に没頭しています。金融庁の君よ、瀕死の銀行の水虫を治療して悲しくないか。 金融行政方針
20200227 いまさら地方銀行の経営理念を聞いてどうする 金融庁は、経営環境が厳しくなる一方の地方銀行に対して、抜本的な改革を求めてきましたが、少しも進展がないなかで、いまさらに銀行経営者と経営理念について対話するとしています。しかし、地方銀行だけでなく、そもそも日本の銀行機能の全体が供給能力過剰で深刻な構造不況に陥っているとき、個々の地方銀行の経営理念など何の役にたつというのでしょうか。 金融行政方針
20200213 金融界に残された道は官製談合だけだ 金融界の現実には、一方で、古い金融機能の供給能力過剰のもとで、過当競争による構造不況に陥っている面があり、他方で、構造不況による消耗した体力のもとで、新しい金融機能への創造的投資が十分になされていない面があります。この状況を打開するためには、金融行政が積極的に介入して、旧分野における競争制限と計画的な供給能力の削減を断行し、新分野の開発における協調を主導すべきではないでしょうか。 金融行政方針
20200109 もう金融庁のいう顧客本位は古い 金融庁は金融機関に対して顧客本位の徹底を求めていますが、そもそも顧客とは何でしょうか。金融に限ったことではありませんが、顧客が問題なのではなく、顧客の求めるものだけが問題なのですから、真の顧客本位とは、顧客の求める金融機能を顧客の利益の視点で的確適正に提供することであって、金融庁が金融機関に求めるべきは機能本位の徹底なのではないでしょうか。 金融行政方針
20191219 金融庁に真実を語る金融機関はない 金融庁は、ここ数年、行政手法を抜本的に改革し、金融機関を上から統制する姿勢を放棄して、金融機関と対等の立場で対話するとしていますが、金融が高度規制業であり、金融庁が規制当局である限り、論理的に対等性はあり得ません。そこで、金融庁は心理的安全性というものを援用して対等たろうとするのですが、さて、心理的安全性とは何なのか。 金融行政方針
20191121 金融機関の勧誘行為を禁止しろ 資金を必要とする人が金融機関に借りに行き、金融機関は融資によって顧客の必要を満たす、この受動的立場が金融機関の基本姿勢であって、金融機関が能動的に融資の勧誘を行うことは、病院が癌の手術の勧誘をしたり、弁護士が離婚訴訟の勧誘をしたりするのと同じように、原理的に、あり得ないことです。では、なぜ、現実の金融界においては、投資信託や保険の積極的な販売が当然視され、融資の勧誘すらなされているのでしょうか。そこに規制は必要ないのでしょうか。 金融行政方針
20191114 金融規制の強化による顧客本位の徹底 ここ数年来、金融庁は、最重点施策として、金融機関に顧客本位の業務運営を徹底させるべく努めてきていて、それなりの成果を生んでいるわけですが、依然として顧客の利益に反した問題事象も少なくないとみられ、金融界の根本的な構造改革には至っていません。さて、これまで規制による強制を意識的に避けてきた金融庁なのですが、やはり、規制が必要なのではないか、規制するとしたら、どこに的を絞るべきか。 金融行政方針
20191003 銀行の地域独占で貸出金利は上昇するのか 同一地域内の地方銀行が統合すれば、その地域内で突出した市場占有率をもつことになりますが、寡占によって競争がなくなることは、優越的な地位の濫用等の弊害を誘発するのか、それとも、不毛な競争から解放された全精力が顧客本位の業務運営に投入されて、顧客の利益の増進と地域経済の振興が実現するのか。そもそも、何をもって統合の成果といい、弊害というのか。金融庁は、いかにして成果を助長し、弊害を防止するのか。 金融行政方針
20190919 金融庁は存亡の危機にある地方銀行をどうするのか 地方銀行のなかには、未来へ向けた存続可能性に疑義が呈されるものもあるなかで、金融庁としては、それらの地方銀行を放置できないと判断したときは、早期警戒制度の発動へ向けて、深度のある対話を行わなくてはならないのですが、さて、諸般の客観的事由から存続基盤が消滅しつつある地方銀行について、何を話し合うのか。対話とは事実上の廃業命令に向けた儀式にすぎないのか。 金融行政方針
20190808 これが老後2000万円報告書の改訂版だ 政治問題に悪用されて有名になった老後2000万円報告書ですが、その主旨は、公的年金は最低生活保障なのだから、各自が自分の定義する豊かな老後生活を思い描いて、その実現のために必要な追加資金を用意すべきだという常識的な提言にすぎません。そして、真の政策上の論点は、提言に実効性をもたせるために、国民の豊かな老後の定義が多様に異なることに対応して、税制を含めた柔軟な老後生活資金形成のあり方を工夫することと、働き方改革を推進するなかで企業責任を明らかにすることにあったのです。 金融行政方針