スポットレート曲線

2023/02/16更新
イールドカーブ上の利回りと個々の銘柄の利回りとの不一致は、属性の差にも起因しているので、その属性差を消去しない限り、割安か割高かという科学的な判断は成立しません。属性差を消去するとは、金利と時間との間の純粋な関係を把握することです。純粋に時間の長さだけで規定される金利は、スポットレート(spot rate)と呼ばれ、縦軸にスポットレート、横軸に時間をとった曲線がスポットレート曲線です。つまり、内部収益率としての利回りは、銘柄に固有のものなので、同じ時点で発生する利息支払いや元本償還でも、銘柄が異なれば、異なる割引率が適用になるのに対して、スポットレートを用いれば、銘柄とは無関係に、同じ時間ならば、同一の割引率を適用できるということです。
全ての国債について、スポットレートを用いて現在価値を計算し、それと実際の取引価格を比較したとき、現在価値のほうが価格よりも低い銘柄は割高で、現在価値のほうが価格よりも高い銘柄は割安だと判断されますので、債券の理論価格を静態的に計測し、銘柄間の割安割高を判断するのに威力を発揮します。

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