自動運転の車が当たり前に街を走るようになったとき、もし事故が起きたら誰が責任を負うのでしょうか。本書は、これまでの自動車事故に関する法律やルールを自動運転にどう当てはめるのかを、研究者と実務家が検討した一冊です。
特に興味深く読んだのは、第2部第5章「自動車のソフトウェア化と民事責任」です。通信で購入後もソフトウェアが更新され続ける車では、事故の原因が所有者なのか、メーカーなのか、外部からの攻撃なのかを切り分けること自体が難しくなります。原因を特定しにくい事故の責任をどう扱うかという問題に対し、本書全体では、まず自賠法と保険で被害者を救済し、原因がシステムの欠陥にあれば、保険会社などが後からメーカーに負担を求めるという考え方を軸に、いくつかの選択肢が検討され ています。
新しい技術がもたらす事故の責任を社会でどう分担するかという問いは、自動運転に限った話ではないと感じました。製品を売って終わりではなく、購入後もソフトウェアが変化し続ける時代には、原因を一つに特定して誰か一人に責任を負わせるという考え方だけでは、対応しきれない場面も増えていくのではないでしょうか。メーカーに重すぎる責任を課せば開発のリスクが大きくなり、技術の進歩が止まってしまいます。だからこそ、まずは被害者を迅速に救済し、そのあとに不確実なリスクを社会全体でどう分け合うかを考えていくことが重要なのだと感じました。本書が示すこの視点は、AIをはじめ、これから新しい技術を社会に取り入れていくうえでも大切な指針になると思いました。
特に興味深く読んだのは、第2部第5章「自動車のソフトウェア化と民事責任」です。通信で購入後もソフトウェアが更新され続ける車では、事故の原因が所有者なのか、メーカーなのか、外部からの攻撃なのかを切り分けること自体が難しくなります。原因を特定しにくい事故の責任をどう扱うかという問題に対し、本書全体では、まず自賠法と保険で被害者を救済し、原因がシステムの欠陥にあれば、保険会社などが後からメーカーに負担を求めるという考え方を軸に、いくつかの選択肢が検討され ています。
新しい技術がもたらす事故の責任を社会でどう分担するかという問いは、自動運転に限った話ではないと感じました。製品を売って終わりではなく、購入後もソフトウェアが変化し続ける時代には、原因を一つに特定して誰か一人に責任を負わせるという考え方だけでは、対応しきれない場面も増えていくのではないでしょうか。メーカーに重すぎる責任を課せば開発のリスクが大きくなり、技術の進歩が止まってしまいます。だからこそ、まずは被害者を迅速に救済し、そのあとに不確実なリスクを社会全体でどう分け合うかを考えていくことが重要なのだと感じました。本書が示すこの視点は、AIをはじめ、これから新しい技術を社会に取り入れていくうえでも大切な指針になると思いました。
この本を紹介した人
内木 美里
HCアセットマネジメント株式会社投資運用機能所属
2024年にHCアセットマネジメント株式会社に新卒で入社。現在はリサーチ、投資信託関連に従事。趣味は旅行と一人カラオケ。
