2021/1/12(火)開催 HC資産運用セミナーvol.157『新しい資産選択と配分の理論』セミナーレポート

HCセミナー
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 資産運用において、資産配分が大事だと言われている。資産の数が有限で、おおむねすべてに投資するという前提があるなら、たしかに資産配分は大事だろう。しかし、実際は、資産の種類はあまりにも多く、それらすべてに投資すべきかどうか疑問である。あまりに大きな資産運用の世界の中で、いくつかのものを選択して、投資するなら、配分は些細な話で、何を選択するかが大事な話なのではないだろうか。

 資産の配分は、理論上は、分類された投資対象を選択したうえで行われるとされている。では何をもって分類するのか。選択の基準がなければ分類できないのではないだろうか。よく、株式と債券に分類されるが、株式と債券は資本構成上の地位である。それが資産選択の基準と何が関係あるか考えたことはあるだろうか。

 選択においては、事業キャッシュフローを考えることが大事だろう。産業活動がキャッシュを生み出し、それに応じて戻ってきたキャッシュから分配を受けるのが投資である。戻り方を選ぶのが資産選択であり、戻り方には差異がある。この差異が資産の種類である。
 広い産業の中で、すべての産業を理解するのは難しい。では、理解すべきものに絞って、よく考えて、分類して選択するのがよいのだろうか。それとも、よくわからないから極限まで分散するのがよいのだろうか。よくわからないから分散するというのは、価値ある投資対象か、そうでないものかという判断を放棄していることにならないか。結果、どうでもいいものにも投資されているという事態を引き起こしているのではないだろうか。

 例えば空運業。空運があげたキャッシュはどこに落ちているのか考えると、確実に支払われるのは航空機のリース料だろう。航空会社の社債や株式よりかなり前の段階で確実にキャッシュが落ちる。そうしたとき、航空会社の株式や社債だけが投資対象ではないということがわかるだろう。

 分類は掛け算にしかならない。例えば、一般的に使用される四資産(国内債券、外国債券、国内株式、外国株式)の分類は、国内・外国の軸と、債券・株式の軸、どちらが先にできたのだろうか。資産運用の歴史から見ると、海外への投資というのはそんなに古い考え方ではないので、株式・債券の軸が先にできたのではないだろうか。
 このようにして、選択に必要な基準から、順番に軸が作られていく。でなければ分類は成り立たない。
 資料(P.6)の順番はあくまで一例であり、選択の基準に合わせて、順番も違ってくるだろう。このように考えていくと、資産選択と配分の理論について、より建設的な話ができるようになるのではないだろうか。



以上

(文責:飯塚、大山)

当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。




■セミナーで実施したアンケートの集計結果

Q1. 現在、資産分類を考える際に、どの軸を重視して分類を設けていますか。下記のうち、重視するものをすべて選択し、番号に○をつけてください。

1. パブリック/プライベート
2. 円/外国通貨
3. 日本/外国
4. 事業キャッシュフローの源泉
5. 資本構成(債権、債券、メザニン、株式)
6. コーポレートファイナンス/オブジェクトファイナンス
7. 常態/非常態(創業・開発、破綻、再編・整理)
8. その他      
9. 無回答

Q2. 1で回答したもの以外で、今後、資産分類を考える際に、取り入れたい軸はどれですか。下記のうち、あてはまるものをすべて選択し、番号に○をつけてください。


<クリックで拡大>
1. パブリック/プライベート
2. 円/外国通貨
3. 日本/外国
4. 事業キャッシュフローの源泉
5. 資本構成(債権、債券、メザニン、株式)
6. コーポレートファイナンス/オブジェクトファイナンス
7. 常態/非常態(創業・開発、破綻、再編・整理)
8. その他 
9. なし
10. 無回答


アンケート結果をPDFでダウンロードすることが可能です。