Fortress日本オポチュニティ戦略 公開マネジャ・ミーティング要旨

日時: 3月25日(水) 14:00-16:30
場所: HC 5階会議室
マネジャ: 久保達哉氏(マネージング・ディレクター)
HC: 橋本、横山、柳井、吉澤

1. 会社情報 
・ 1998年設立のオルタナティブ運用会社。役職員800名超。運用総額$35bn(08年6月末現在)。
・ プライベートエクイティ、ヘッジファンド合わせて31ファンド運用。主たる投資家は機関投資家、FoF、財団、個人富裕層。投資家の米国外比率22%。

2. 投資機会
・ 本邦金融機関のバランスシート圧縮に伴う売り圧力の高まり、信用創造機能の低下、不動産証券化市場の消滅を背景に、不動産金融システムが不安定化。買い手有利な銘柄厳選の機会が出現。
・ 不動産稼働率(賃料収入)には直接関係の無い、金融の機能不全を背景とする需給の悪化。
・ 証券化を目的にインベストメントバンクが過去買い集めた在庫の処分。
・ 過去組成したCMBSのリファイナンス。2009年中満期のローンが数千億円。
・ 仲介業者の機能不全や撤退で、売買市場の機能が歪む。
・ 邦銀の体力減に伴う新規融資/リファイナンス余力の低下。
・ 過去、投資機会を享受してきた欧米ファンドの資金繰りが悪化し、日本の機関投資家に投資機会が開ける。
・ なお、エクイティ投資には不安定材料高く、リスクに見合うリターンは得にくい。

3. 安定インカムの追求
・ 本邦不動産担保付融資戦略。安定インカム(年率8%程度)を享受しつつ、7年で全額資金を回収する。期待IRR10~20%台。賃料収入10%後半 + 回収によるアップサイド。
・ 融資対象は、安定的な賃料収入を得られる収益不動産に限定。
・ 取得価格の算出に当たっては、3段階のプロテクションをかけ、保守的に評価。
・ ローンに限定。メザニンや株式分がバッファーとなり、最も優先的に弁済を受ける権利を有す。
・ 担保物権の時価評価には、相当のストレストをかけ、保守的に見積もる。
・ さらに、将来の賃料低下の可能性を保守的に見積もり、格段に割安な水準で取得する。
・ 万が一現金回収が難しい場合は、担保不動産を市中売却し、現金回収。フォートレスに専門人材在。

質疑応答
Q1: 債権はいかに保守的に評価するのか。
A1: 例えば、期待利回り4-5%のところ、7-8%で評価。更に将来の賃料収入低下を見込み20%超割引。債権の満期前に、賃料収入で元本回収できる程度に保守的評価。万が一、物件を現金化しなければならない場合は不動産処理の専任が対応。

Q2: 投資期間はどのくらいか。
A2: 3-7年で回収のイメージ。心地良い投資規模は1案件あたり10~100億円。大型物件のほうがテナント出入りの影響大きく、また、賃料低下のリスクも高い。立地条件の良い中小物件は、賃料はあまり変動せず、テナントが抜けてもすぐに次が見つかりやすい。

Q3: フルエクイティで不動産取得をするのはどうか。
A3: 現物の売りは金融法人から出てくる以外あまり無い。債権の形で出てくることが多く、故に割安に取得しうる。よって、債権のほうが選択肢多く、厳選しうる。

Q4: 銀行がノンリコースローンを手放す背景にはバーゼルIIの関係があるのか。
A4: 資産の値下がりで各行とも厳しく、バーゼルIIの影響は大きい。要管理先になるのを避ける、貸付先の選別をすすめるなどの動きもある。証券化商品の組成を推進してきたインベストメントバンクの在庫は大きい。主要プレーヤーが一斉に撤退。

Q5: 物件は東京中心か。
A5: フォートレスでは首都圏中心。首都圏は特殊で、過去の最大空室率は8%程度。欧米主要都市対比でも安定している。

以上

留意事項
弊社の投資先、もしくは投資候補として注目度の高いマネジャに関する公開ミーティングを通じたご理解を今後の資産運用にお役立ていただくこと、および弊社へのご理解を深めていただくことによる投資一任契約の締結の勧誘を目的としており、特定の金融商品の募集・勧誘を行うものではありません。

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