11/20開催 HC資産運用セミナーvol011 セミナーレポート

HCセミナー
今回のセミナーには、年金基金・金融法人の方々を中心に総勢50名の方々にご参加頂き、誠にありがとうございました。

◆セミナーのまとめ◆

今回は7つのキーワードで、セミナーの内容をまとめてみました。


◆投資の回収
リターンとは、投資資金がリターンしてくること、つまり戻ってくることです。あるいは、積極的に投資資金を回収することです。より狭くいえば、回収額のうち、投資資金(元本または元手)を上回る部分が、投資利益(リターン、利子)です。このことは、自明すぎて、忘れられがちな投資の基本です。回収のない投資はあり得ません。プライベート・エクイティ(非公開株式)投資にとって、最も重要なことは、回収の戦略です。回収方法には、投資先の株式公開、他企業等への売却、優先株等の形態による償還などがあります。

◆流動性の対価
流動性とは、投資資金を回収できる自由度のことです。市場に上場されている株式は市場でいつでも売れます。逆に、市場で自由に売れる条件を備えることを「公開」というのです。プライベート・エクイティでも売れます。しかし、売却の自由度(流動性)は、公開株式に比べればはるかに低くなります。流動性の低さはデメリットです。デメリットを補うだけのメリットがプライベート・エクイティ投資にあるかどうかが、鍵になります。一方、公開株式へ投資することは、流動性への対価を払うことを意味しますが、本当にそれに見合う利益があるかどうかは、検討に値します。現在の資本市場の状況は、流動性を保証するはずの市場システムが有効に機能せず、いたずらにボラティリティ(市場の乱高下というコスト)をもたらしているのみのようにも見えます。

◆リスク管理の二つの方法
投資資金がきちんと戻ってくるように管理することが資産運用です。このことも、自明すぎて、忘れられがちな基本中の基本です。投資資金の保全と回収のために積極的に行動することが、資産を守り増やすという資産運用の基本であり、リスク管理の基本です。流動性の高い公開株式では、市場での売却により投資回収することで、資産を守ります。一方、流動性の低い非公開株式では、株主としての積極的行動が求められます。

◆ガバナンス
公開企業には、不特定多数の株主の利益の保護のために、ガバナンスのあり方や開示について、厳しい条件が課せられます。つまり、社会の「公器」(パブリックな存在)としての行動の制約があるわけです。一方、非公開企業では、特定少数の株主の理解が得られる限り、「私企業」としての行動の自由があります。パブリックかプライベートかは、ガバナンスの仕組みに本質的な差をもたらします。公開企業であることが最上のガバナンス・モデルとは限りません。プライベートなガバナンスの方が相応しい事業のあり方もあるはずです。そこに、プライベート・エクイティの魅力とリスクがあります。

◆プライベート・エクイティにしかできないこと
プライベート・エクイティに投資する意義は、プライベート・エクイティという方法によってしか得られない価値、もしくはプライベート・エクイティという方法によって得るのが最も効率的である価値を得ることです。このことは、本来の投資の基本である分散との視点にとって、重要なことです。プライベート・エクイティによらずに他の方法で得られる価値に投資しても、本質的な分散にはなり得ないと思われます。プライベート・エクイティにしかできない投資としては、ベンチャー企業への投資が代表例でしょうが、その他に、企業再編に伴う特殊なファイナンス供与、同族企業等の成長資本供与、破綻企業の再生資本供与など、現在では、企業金融の重要な分野に、その固有の機能が認められています。

◆キャピタル・ストラクチャ上の位置
プライベート・エクイティ投資を、厳密に、「株式」に限る必要はありません。むしろ、投資(入口)戦略や、回収(出口)戦略などとの関連によって、キャピタル・ストラクチャの上位(優先株、劣後債権など)に投資することが有効な場合もあります。つまり、回収方法を配当や償還などに多様化し、またコブナンツの設計等を通じて権利を強化することで、投資のリスク/リターンの設計を効率化できる可能性があるということです。

◆投資のストラクチャ
プライベート・エクイティの投資には、伝統的に、特殊なファンドの仕組みが使われています。これは、通常の株式・債券に使われる投資の仕組みや、ヘッジファンドの仕組みなどとも、かなり異なります。コミットメント/キャピタル・コール方式、報酬体系、ファンドの有期性、解約できないこととセカンダリー市場の発達、など特殊な論点がたくさんあります。




次回、第12回HC資産運用セミナーは「いい運用会社」とは?絶対的な収益を狙うための運用会社選択の新しい基準?です。皆様のご参加を是非ともお待ちしております!





※当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。