ロールダウン

2023/03/02更新
イールドカーブの基本形は右肩上がりです。なぜなら、景気の緩やかな拡大のもとで、物価上昇につれて、金利の緩やかな上昇が見込まれるからです。この場合、金利は次第に上昇率を低下させていくとの予測が自然なので、イールドカーブは、基本形として、中期の年限までは強い傾斜の右肩上がりで、中期から長期にかけて傾斜が緩くなり、長期では平らになります。
この基本形のもとでは、中期の年限の国債は、時間の経過とともに、急な傾斜を転がり落ちる、英語でいえば、ローリングダウン(rolling down)することになり、利回りが急速に低下するわけです。利回りの低下にともない、価格は上昇しますが、ロールダウンとは、その価格上昇効果を意味します。ロールダウンを狙うことは、債券投資の古典的手法です。

関連記事