ビザンチン将軍問題(Byzantine Generals Problem)

2018/09/05更新
合意形成の正当性を保証できるかを問う技術である。暗号通貨との関連でいえば、この問題を解いて、電子的記録の正当性を保証することが決定的に重要なのである。暗号通貨は電子的記録以外の形態では存在し得ない、即ち、電子的記録の外に事実(権利)があるわけではない。従って、記録されたことが事実(権利)そのものにならざるを得ないのだから、記録の誤りはあり得ないのである。しかるに、誤りが問題となるのは、実体的権利関係における紛争の原因になることだけだから、紛争の可能性自体を除去しておけば、誤りは、誤りとして問題になることはない。つまり、完全な合意、あるいは反論の不可能性があればよく、そのための技術的工夫がブロックチェーンである。完全な合意の形成は、不特定の多数の場合、限りなく不可能に近くなるが、論点は、特定のものの利益になるように合意を捏造できる可能性を完全に排除することに収斂していく。

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