多様性(ダイバーシティ/Diversity)

2018/02/07更新
女性の登用や活用に矮小化して考えるのは誤り。そもそも、地球の上には、歴史的に、文化的に、宗教的に多様な価値体系の分断と並列がある。仮に、生命の絶対性だけは全人類に共有されている唯一の絶対価値だとしても、生存の条件には無数の多様なものがあるので、頂点の価値は同じでも、価値の体系は様々に異ならなくてはならない。企業経営においても、利益の追求は究極の目的であるかのように考えられてきたが、現代では、持続可能性や社会性のような利益の質を問題にするようになってきており、多様な価値を内包するものへと変わりつつある。同様に働くことの意味は、もはや、伝統的な労働概念では解けなくなっているし、消費の意味も、医療行為の意味も、変わりつつある。社会規範すら、多様な価値の共存と一つの秩序の維持との相克のなかで流動化しはじめている。こうして、今後の企業をとりまく環境が大きく変われば、経営のあり方も激変していき、経済合理性という単一で一様な指標は失われて多様な価値の視点が許容されることになるのである。

関連記事