コングロマリットディスカウント(Conglomerate Discount)

2017/03/16更新
コングロマリットとは、多数の事業を営む企業のうち、各事業の独立性が高く、事業間の相互の関連が希薄になっているものをいい、ディスカウントというのは、割安ということで、企業の株式の時価総額が各事業の理論価値の合計を下回っている状況をいう。コーポレートガバナンスの要諦は、複数の事業間の真の有機的連結に基づく新たな付加価値を創出できること、即ち、事業価値の単純合計値よりも大きな企業価値を創出できることに帰着する。これをいいかえれば、コングロマリットプレミアムを実現することだが、それを実現するのは極めて難しい。上場企業の場合、コングロマリットディスカウントが慢性化する状況では、株主に対する責任が十分に果たせているとはいえないので、ディスカウントが解消するように、会社分割や事業譲渡等を検討しなくてはならない。また、産業構造は早く変化するので、事業結合の合理性も時間の経過とともに失われていくわけで、企業経営は、そうした環境変化に常に適合していかなくてはならない。

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