What it takes: Lessons in the Pursuit of Excellent

What it takes: Lessons in the Pursuit of Excellent

著者 Stephen A. Schwarzman
出版社 Simon & Schuster Ltd.
発行日 2019/9/17
 本書は世界最大のプライベートエクイティー投資会社ブラックストーン・グループ(The Blackstone Group)の創立者スティーブン・シュワルツマン(Stephen A. Schwarzman)の自伝です。前半では、著者の学生時代、そして、卒業後ウォールストリートでキャリアが始まり、30代前半までに順調なキャリアを歩んできた経歴を語っています。後半では、1985年ブラックストーンを立ち上げ、チャレンジングな創業時代が始まり、その一連の挑戦、失敗、そして失敗に向き合った経験について述べています。

 ブラックストーンを創立する前のシュワルツマンは金融界における、経歴、人脈ともに非常に豊富であり、それらは起業時の資産になるだろうと思われましたが、創業の道は順調ではなく、多くの難局がありました。数多くのチャレンジにより如何に突破したか、著者が自身の哲学や信念をそれぞれのケースに分けて語っています。

 シュワルツマンの豊富な人生経験の、一つ一つのストーリーを興味深く読めるのが本書をお勧めする理由ではありますが、それとは別に、著者の「失敗を恐れない、それでいて強い反省力を持つ性格」に惹かれたというのも大きな理由です。それはブラックストーンが今のように成長できた理由にもなるかと思います。シュワルツマンは「世界で最も影響力のある人物の一人」と呼ばれているにも関わらず、自身の自伝では成功体験ではなく、人生で起こしたいくつかの大きな判断ミスや失敗を語っています。どのような失敗をしたかが重要ではなく、失敗したことを認め、その後、自分がなぜ間違った判断をしたのかについて原因を客観的に分析し、改善することがポイントです。

 判断を間違える理由は多くありますが、よく考えられるのは、以前の成功体験にとらわれ、自身の判断を過信しすぎることでしょう。よく考えると、これは著者のみならず、人々がよく陥る罠でもあるでしょう。

 本書は金融業界に興味を持つ人だけではなく、厚みのある人生を送りたい人にとって、読んで損しない本だと思います。

この本を紹介した人

Tee XinYee

HCアセットマネジメント株式会社

2020年にHCアセットマネジメント株式会社に新卒で入社。 現在はポートフォリオマネージャーのサポートに従事。 昭和女子大学グローバルビジネス学部卒業。