プライベートな投資の時価評価の基準を選ばなければならないとしたら?『薄価(取得時コスト)評価でよいが、減損の実施については回答が分かれました』

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今回の調査の対象は弊社月例資産運用セミナーにご参加頂いた機関投資家をはじめとする資産運用業界関係者で、全参加者27名中13名の方に、プライベートな投資の時価評価について、アンケートにご協力頂きました。






プライベートな投資(非公開株式、債権、不動産等の実物資産などの非流動的資産)の時価評価については、定義により市場価格がないものなので、実務上の難しさがあります。理屈上は、概ね、以下の3つの考え方があり得ると思いますが、どれを用いるかは、時価評価の目的にもよるのでしょう。

a. 簿価(取得時コスト)評価でよい。減損も、明らかな劣化が認められる場合に限ってよい。
b. 簿価(取得時コスト)評価でよいのだが、資産査定は厳格にして、積極的な減損を行うべきである。
c. 類似案件の参考取引価格や収益還元法などを用いてでも、実勢価格に近い評価時価をつけるべきである。

<br /><br />Q1 企業年金の積立水準規制、金融機関の自己資本規制など、制度的に資産の健全性を査定しなければならないようなときには、上記3つのうち、どれが適切だとお考えでしょうか。

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結果は、bの『簿価(取得時コスト)評価でよいのだが、資産査定は厳格にして、積極的な減損を行うべきである。』が46%と、最も多い回答となりました。

<br /><br />Q2 主に期間損益の計測を目的としている企業等の会計にとっては、上記3つのうち、どれが適切だとお考えでしょうか。


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こちらは、bの『簿価(取得時コスト)評価でよいのだが、資産査定は厳格にして、積極的な減損を行うべきである。』(47%)がaの『簿価(取得時コスト)評価でよい。減損も、明らかな劣化が認められる場合に限ってよい。』(38%)より、若干多い回答となりました。

<br /><br />Q3 運用効率の測定、運用会社の評価のためには、上記3つのうち、どれが適切だとお考えでしょうか。


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こちらは、cの『類似案件の参考取引価格や収益還元法などを用いてでも、実勢価格に近い評価時価をつけるべきである。』が54%と、最も多い回答となりました。

<br /><br />Q4 全ての目的に共通して、ただ一つの基準を選ばなければならないとしたら、上記3つのうち、どれが適切だとお考えでしょうか。


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こちらは、aの『簿価(取得時コスト)評価でよい。減損も、明らかな劣化が認められる場合に限ってよい。』と、bの『簿価(取得時コスト)評価でよいのだが、資産査定は厳格にして、積極的な減損を行うべきである。』に、回答が分かれました。





“非流動資産への投資の魅力”セミナーテーマにおけるアンケートは以上となります。
なお、本セミナーのまとめや、当日配布資料についてはセミナーレポートからご覧頂けます。

次回、2010/12/8(水)開催・月例資産運用セミナーは“「いい運用会社」とは”となります。
是非とも皆様のご参加をお待ちしております。