資産担保証券の構造を工夫することで、原資産に投資価値がないときでも投資価値を作ることは可能か?「原理的に、あり得ない。」と84%の方が回答

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今回の調査の対象は弊社月例資産運用セミナーにご参加頂いた機関投資家をはじめとする資産運用業界関係者で、全参加者34名中25名の方に、様々な金融の社会的機能について、アンケートにご協力頂きました。

<br /><br />Q1 資産担保証券(例えば、サブプライム関連の証券)について、原資産(例えば、サブプライム・ローンそのもの)に投資価値がないときでも、証券の構造を工夫することで、投資価値を作ることはできるでしょうか。<br />一番近いと思われるものを、一つだけお選びください。

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①原理的に、あり得ない。
②格付機関が評価しているのだから、問題ない。
③投資価値のある部分とない部分に分かれるのだから、価値のある部分だけに投資すればよい。
④その他

結果は、①の“原理的に、あり得ない。”が84%と多数を占めました。


<br /><br />Q2 「宝くじ」の発行は、実は、地方自治体の資金調達です。しかし、「宝くじ」は、購買者全体についての期待収益率が大幅マイナス(約-50%!)で確定するので、購入する経済合理性はありません。そのような「宝くじ」の発行で、資金調達を行う自治体の行為は、なぜ正当化されるのでしょうか。<br/> 一番近いと思われるものを、一つだけお選びください。


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①「庶民の夢として愛され、親しまれ、定着したファンをもつ」から(日本宝くじ協会ウェブサイトより)。
②法律(当せん金付証票法)で定められているから。
③金融商品取引法の適用がないから。
④資金使途が、公共のものだから。
⑤本来は、正当化され得ない。
⑥その他

こちらは、回答が割れました。①の“「庶民の夢として愛され、親しまれ、定着したファンをもつ」から”が24%、
②の“法律(当せん金付証票法)で定められているから。”と③の“金融商品取引法の適用がないから。”が共に20%と、若干多い回答となりました。

<br /><br />Q3 ベンチャーキャピタルが全く新しいスタートアップの企業や創業間もない企業に投資することは、究極の成長支援という意味で、ベンチャーキャピタルにしかできない金融の社会的役割です。しかし、一方で、合理的な事業キャッシュフローの推計に、限界のあるのは事実です。創業支援は、適格な投資であり得るのでしょうか。<br/> 一番近いと思われるものを、一つだけお選びください。


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①事業キャッシュフローの推計は難しくても、事業モデルの妥当性や合理性は評価し得るのだから、適格な投資である。
②ひとつひとつの案件ごとに、投資の適格性を議論することはできない。複数投資することで、統計的な制御がなり立つ限りでのみ、適格な投資である。
③投資後の様々な経営支援活動(いわゆるハンズオン)によって、積極的にリスク管理できるという条件の下でのみ、適格な投資である。
④創業直後の投資は、適格性を欠く。ある程度、事業キャッシュフローが読める段階に達した企業に、投資は限定すべきである。
⑤その他

こちらは、①の“事業キャッシュフローの推計は難しくても、事業モデルの妥当性や合理性は評価し得るのだから、適格な投資である。”が40%と、最も多くの回答となりました。


“金融の社会的機能と資産運用”セミナーテーマにおけるアンケートは以上となります。
なお、本セミナーのまとめや、当日配布資料についてはセミナーレポートからご覧頂けます。

次回、2010/7/14(水)開催・月例資産運用セミナーは実物資産への投資の意義と方法となります。
是非とも皆様のご参加をお待ちしております。