7/16開催 HC資産運用セミナーvol019 セミナーレポート

HCセミナー
※当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。

今回のセミナーには、年金基金・金融法人の方々を中心に総勢36名の方々にご参加頂き、誠にありがとうございました。

◆セミナーのまとめ◆

今回は6つのキーワードで、セミナーの内容をまとめてみました。

◆原則として、キャッシュフローを生まないものは、「適格な投資対象」にならない
責任ある機関投資家の資産運用の枠組みにおいては、価格の上昇期待だけで、実物資産を適格な投資対象として位置付けることはできません。適格な投資対象であるかどうかの基本判定要件は、キャッシュフローを生むかどうかです。

◆不動産へ投資しているのではなく、テナント料収入を生む仕組みに投資している
不動産投資とはいっても、価格上昇期待だけの更地の保有は、投機的でこそあれ、適格性のある投資とはいえません。一方、商業ビル等のテナント料収入を目的とした不動産投資は、りっぱな適格性ある投資です。

◆定期キャッシュフローを生む仕組み
不動産賃料に限らず、通行料、使用料、定期売却代金など、定期・安定的なキャッシュフロー創出の仕組みを、いかに考案するかが、実物資産投資の基本になります。

◆企業等が保有する実物資産を資金調達目的で売却することから、実物資産投資が生まれる
資産は、必ず、誰かの債務です。これは、債券や株式については自明です。実物資産といえども例外ではありません。一般に、エネルギー資源、農林水産業資源、インフラストラクチャなど全ての実物資産投資の仕組みは、企業・公企業の資金調達の一つの手段です。

◆融資対象としての実物資産
キャッシュフローを生む限り、融資の対象ともなります。つまり、投資対象としての魅力を高めるために、レバレッジもつけることができます。あるいは、実物資産担保の融資そのものも投資対象になります。

◆「金」の特殊性
投資対象としての金(金地金です)は、極めて特殊な投資対象です。キャッシュフローを生まない、純粋な価格変動だけの資産だからです。一方で、人類の歴史とともに古い投資対象でもあります。もしも、金が適格な投資対象だとすると、資本市場の中ではヘッジし得ない、資本市場の基底そのものが潜在的に持つリスクに対する、究極のヘッジ資産であると構成するしかないのではないか、と考えられます。


次回、2009年 第8回HC資産運用セミナーは
『事業価値とキャピタル・ストラクチャ?資本市場の構造変化とファンド資本主義?』です。

また、7/27(月)に緊急特別セミナー「低金利下の債券運用の革新」を開催致します!
併せて、皆様のご参加をお待ちしております!


なお、本セミナーで実施致しました「セミナーテーマに関するアンケート」の結果に関しましては、「HCセミナー・アンケートレポート」にて公表予定です。