2/19開催 HC資産運用セミナーvol014 セミナーレポート

HCセミナー
今回のセミナーには、年金基金・金融法人の方々を中心に総勢50名の方々にご参加頂き、誠にありがとうございました。

◆セミナーのまとめ◆

今回は5つのキーワードで、セミナーの内容をまとめてみました。

◆日本の株式市場は長期的に収益を生んでいません
1980年1月から数えて先月までで29年と1ヶ月。長期です。超長期といってもいいでしょう。この間の東京証券取引所市場第一部のリターン(配当収益を含む)は、年率 2.9%に過ぎません。しかも、このリターンは、1985年までに実現したもので、1985年2月から計測するとリターンは、ほとんどゼロになります。ましてや、1990年1月からですと、なんとマイナスの年率5.8%です。

◆一方、日本の株式市場のリスクは高く、リターンの低さと、釣り合っていません
1980 年1月からの29年と1ヶ月で、2.9%のリターンに対して、リターンの標準偏差(リスク)は、年率18.8%にもなります。1985年2月からですと、ゼロのリターンに対して、リスクは20.0%です。このように、著しくリターン/リスクの関係の悪い資産には、本来は、投資できないはずです。日本の投資家である以上、日本株式には投資しなければならないのだ、という固定観念抜きには、日本株投資は考えにくいとさえ思われます。

◆日本の株式市場の中での外国人投資家の比重は非常に大きなものです
外国人投資家は、日本株式の3割近くを所有しています。さらには、売買委託注文の過半が、外国人投資家によるものなのです。その結果、当然のこととして、株価形成における外国人投資家の役割は非常に大きなものになるはずです。そうした状況では、日本の視点での銘柄評価ではなくて、グローバルな視点での銘柄評価へと、すでに移行しているのではないか、と思われます。

◆平均株価の低迷が問題なのではなく、そこに埋もれた宝の発掘が問題なのです
日本にも多数のグローバル企業があります。規模の小さなローカル企業でも、世界に通じる高度な技術を持つ会社が沢山あります。アジアの成長から最も恩恵を受けるのも、アジア市場に強い日本企業でしょう。あるいは、経営の抜本的構造改革を断行することで、変身する会社も今後は、どんどん増えるでしょう。積極面を捉えれば、日本株式市場は、宝の山です。

◆宝の発掘には、方法論を工夫する必要があります
グローバルな価値観で日本株を運用するには、工夫が必要です。外国から外国の運用会社を使って日本株を運用するのも一つ、日本株という資産クラスを廃止して(あるいは削減して)、グローバル株式(またはアジア株式)へ統合するのも一つです。あるいは、経営の構造改革、日本固有の技術など、領域を絞った運用などもあるのかもしれません。




次回、2009年 第3回HC資産運用セミナーはクレジット投資の魅力?信用供与メカニズムの構造問題と投資機会?です。皆様のご参加を是非ともお待ちしております!

なお、本セミナーで実施致しました「セミナーテーマに関する意識調査」の結果に関しましては、?セミナーレポート【投資対象としての「日本」の価値】セミナーテーマにおける意識調査編?にて公表しています!!是非ともご覧下さい。


※当日配布資料をPDFでダウンロードすることが可能です。