Granahan Investment Management
Andrew Beja氏インタビュー

interviewer:HCアセットマネジメント㈱
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Q1. 御社の投資哲学および投資プロセスについて教えてください。

Q1. 御社の投資哲学および投資プロセスについて教えてください。
 投資哲学はとても簡単です。私たちのチームは投資家としても業界の専門性においても深い見識と、豊富な経験があります。私たちが精通している業種の中で、今後も持続的に高成長が見込める企業を発掘することに膨大な時間を費やしてきました。これらは今後5-7年で年率15%超成長する可能性のある企業群です。

 私たちが興味を持つ企業であるためには、高成長であることに加えて、他の特徴も兼ね備えていることが必要です。無限の成長可能性があること、持続可能な競争優位性、強力な顧客訴求力、先見性と実行力を持った優れた経営陣、さらに優秀な人材を魅了し定着させていく企業文化があることが必要です。最後にもっとも大事なことですが、これらの企業の財務体質とキャッシュフローは健全でなくてはなりません。他の投資家の多くもこのような特徴がある企業を好みますが、私たちの場合はそれを条件としていて、常時、100社程度の持続成長が可能な企業をモニタリングしています。これらの企業を「“とっておき”モニターリスト(Desert Island monitor list)」と呼んでいます。もし5-7年、無人島に行かなくてはいけないとしたら、一緒に連れていきたい企業です。そして、隔離されていた期間中、これらの企業は成功し、はるかに大きな企業になっていると信じられる企業群です。

 “とっておき”モニターリストの100社は成長が著しく、世界市場と経済の拡大を上回る発展を遂げるはずです。ですが、たまにはでこぼこもあります。良い企業がいつも良い“銘柄”であるとは限りません。大切なことは、どんな時に保有して、どんな時に保有しないか、知っておくことです。

 The Granahan Focused Growthポートフォリオは「“とっておき”モニターリスト」の銘柄で構成されています。 更に、ポートフォリオの構築と運用に当たっては、上で述べた企業価値評価に加えて、リスクリターン特性と期待収益に重点を置いた、厳格な銘柄分析手法を用います。とくにリスク調整後リターンの算出では下落リスクを重要視します。また、運用プロセスには、複数のリスク要因に対するエクスポージャーや相関など、システミックリスクを管理する項目も盛り込まれています。この投資哲学とプロセスは相場の上昇時にも下落時にもベンチマークを上回る収益をもたらすのみならず、顧客に対して魅力的な収益を、長期的に提供し続けると信じています。

Q2. 足元のどこに投資機会を見出していらっしゃいますか。なぜ米国小型株式が良いのでしょうか?

Q2. 足元のどこに投資機会を見出していらっしゃいますか。なぜ米国小型株式が良いのでしょうか?
 私たちが投資している企業はこの環境において、非常に建設的です。持続的に成長することがかなり難しい世の中で、私たちは、非常に大きな投資機会に恵まれた企業を数多く見つけています。たとえば、LinkedIn社はグローバルなプロ向けオンラインネットワークにおける支配的な地位にありますが、利用率でも事業の現金収益化においても、まだ初期段階にあります。 Pandora社はインターネットラジオで米国ラジオ市場の8%のシェアを誇っていますが、収益的にはまだシェアに見合ったものになっておらず、今後の収益拡大余地があります。Tesla Motors社は、わずか10年ほどの自動車メーカーですが、Sモデル電気自動車がカーオブザイヤーにノミネートされました。 私たちは多くの企業を広い市場でのシェア拡大が近いとみて、モニターリストへの登録を検討しています。 しかしながら、私たちが情熱をもってこの投資機会を見ている一方で、企業への投資機会と株価のリスクリターン特性をしっかりと区別していることを知って頂きたいと思います。私たちは、投資プロセスを実行する中では、銘柄の期待収益に重きを置くという規律を厳格に守っています。

Q3. なぜこの業界で働こうと思われたのでしょうか。

Q3. なぜこの業界で働こうと思われたのでしょうか。
 私は今50歳で、非常に若いころから投資に携わってきました。米国オハイオ州のコロンバス市で育ちました。幸いなことに、米国小売業の成長株の成功事例を目撃し、またささやかながら、投資家としても参加しました。私は9歳の誕生日に、The Limited Stores社の株式を1株もらったのです。当時は、売り上げが10百万ドル未満で、5店舗もなかったと思います。私は株価と少額の配当金が持続的に何倍にもなっていくのを見、それで投資が病みつきになりました。この会社は今日では、L Brands社として有名で、年商は100億ドルを超えています。
 
 こんなに楽しい仕事に従事でき、とても幸せだと思っています。毎日働くのが楽しいですし、いつでも投資について思いを巡らせています。この情熱は、わくわくするような成長企業へ投資をする側面と、そこから持続的に学びがあること、また、投資家に大切なサービスを提供しているという事実から湧き上がっています。個人投資家であれ、機関投資家であれ、一生懸命働いて得てきた資産を私たちに託してくれていることにつきます。この責任を非常に重く受け止めています。

Q4. 足元の市場環境で何が最大のリスクだと思いますか。

Q4. 足元の市場環境で何が最大のリスクだと思いますか。
 私たちはトップダウン分析家でもマクロ投資家でもありませんが、敢えて言えば、足元の市場は興味深い分岐点にあると思います。一方では、直近のバリュエーション状況と株価上昇を考えると、年初来でも過去数年間の動きの中でも株価は調整局面を迎えている可能性があります。 加えて、マクロ環境の不透明さ(中国の成長率やエジプトやシリア、トルコ、ブラジルでの社会経済の不安)は投資家心理を不安定にし、株式市場の調整原因になり得ます。
 他方では、米国の小型成長株には強気で見ている動きがあります。第一に、米国経済はまだ力強さには欠けますが、世界中で成長が鈍化している中では、比較的良好な経済環境です。加えて、多くの資産クラスで、少なすぎる累積期待リターンに余りに多くの資金が群がるという構造的な問題を抱えていると思います。プライベートエクイティやベンチャー投資、ロングショート、新興国投資、債券投資以上は非常に混雑しているように思われ、資産クラス間で部分的な入れ替えを行うとすれば、買うのではなく、売る方向になりそうです。そして、米国株式は、特に米国小型株は他の資産クラスからのリバランスによる恩恵を受けることができるでしょう。
 
 私たちは将来を占うことはできません。私たちは、将来を予測する道具も持っていませんから、資産運用の権威であるCharles D. Ellisが Winning The Loser's Game(「敗者のゲーム」) で述べた通り、敗者のゲームをしないように努めています。資産配分を投資哲学と一致させることは非常に重要です。その哲学の下では、債券投資や他の資産から株式への“大転換”などとは関係なく、グラナハン小型成長株戦略は、大きく変動する市場環境においても、過去6年間に亘って着実に事績をあげてきたように、引き続き優れたリスク調整後収益を稼ぎ続けていきます。

Q5. 信念をお聞かせください。常に心がけていること、あるいは、しないと決めていらっしゃることはありますか

Q5. 信念をお聞かせください。常に心がけていること、あるいは、しないと決めていらっしゃることはありますか
 成功する投資家であるためには勤勉さと強い規律を持たねばならないと信じています。勤勉さは健全な投資哲学とプロセスを育むものであり、規律はそのプロセスをきちんと守るためのものです。私は当社の哲学とプロセスを強く信じており、このプロセスを規律を持って執行することで、絶対リターンとリスク調整後のリターンを着実に積み上げていけると思っています。

 当ファンドのコンセプトである「集中」ですが、ファンド名称に使われているこの言葉を非常に尊重しています。 どんな規律の下でも、成長可能性は、得意分野に専念することで高められます。更に、得意分野に集中することは非常に大切ですが、多分それ以上に、何が専門外なのかを知ることが重要だと思います。 私たちは業種においても(例えばコモディティなど)、投資類型においても(景気敏感銘柄への投資など)専門外には投資しないと決めています。

Q6. お客様の資産を保全する最善策とは何でしょうか?

Q6. お客様の資産を保全する最善策とは何でしょうか?
 お客様の資産を守ることは、優良な企業に投資することから始まります。 しかし、優良な企業が株価的に良い銘柄であるとは限らないため他の要素も考慮します。システミックリスクの観点から、私たちの投資仮説の何が悪い結果に繋がるか、そして悪いシナリオではそれぞれどの程度株価下落があるか見積もることに多くの時間を費やしています。単純なことのようですが、下落可能性が限定的な一方で上昇余地は大きく、収益の発生確率がプラス側に偏った、そういう企業が好きです。 これは私たちの規律ある銘柄分析プロセスの中心にある、「期待収益」の基本概念です。 同様に、非常に注意深くポートフォリオ構築を行っており、ポートフォリオ全体のレベルでもリスク管理における重要な要素を勘案しています。

Q7. 投資でおすすめの本はありますか、またその理由をお聞かせ下さい。

Q7. 投資でおすすめの本はありますか、またその理由をお聞かせ下さい。
 私が大好きな投資の古典はたくさんあります。しかし、ここでは、最近の本の中から私が特に価値があると思った幾つかをご紹介したいと思います。まず“Thinking, Fast and Slow”(「ファスト&スロー」、行動心理学者:Daniel Kahneman著-2002年にノーベル経済学賞受賞)です。次に“Anti-Fragile” (Nassim Taleb著、“Black Swan”「ブラックスワン」や “Fooled By Randomness”「まぐれ」を執筆) です。Anti-Fragile は投資に関してだけでなく、金融以外の人生においても非常に多くの重要なことが記載されています。偶然にも、カーネマン氏もまた「本書は、私の世界を見る目を変えてしまった」と私と同じことを言っています。

Q8. 日常、チェックしている情報は何がありますか?

Q8. 日常、チェックしている情報は何がありますか?
 幅広い分野のものを読んでいます。New York Times、 Wall Street Journal、Barron'sなどの 伝統的な情報源を超えて、様々な雑誌 (Fast Company、Rolling Stone、The Economist、 Food & Wineなど), フォローしている人達のTwitter や LinkedIn (フォロー相手: Richard Branson氏、Michael Bloomberg氏 や Tesla's Elon Musk氏)、新設企業、 ベンチャー企業、面白い新製品の情報を得るためのウェブサイトやブログ(TechCrunch、Ted.comなど)に至るまで読んでいますよ。






インタビューは以上になります。



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