テーマ型投資信託

2018/4/4更新
テーマ型投資信託とは、高配当の海外株式、ハイイールド債等、話題性のある分野を投資対象とする投資信託のことで、一般的に販売手数料も高く設定されている。足元の収益率が良いものがテーマに採用され、故に売れ筋となり、売れ筋であるという事実が簡単で説得力のある営業話法となって、更に売れ筋となる。しかし、性格上、価格変動が大きいので、どこかで収益率が悪化すると、その途端に資金流入が止まってしまい、解約が始まる。そうなると、また新たに別のテーマ型が登場し、同じことが繰り返され、忘れ去られた規模の小さな投資信託が堆積していくわけである。金融庁は、投資信託業界が成長できないのは顧客の利益を創造できないからだと考えているので、テーマ型の回転売買では、金融機関が悪意を意図してしたかどうかをあえて問わないとしても、事実として、顧客の富の増殖にならず、故に金融機関の安定的収益源にもなっていないので、改革の方向は、自明のこととして、顧客と金融機関の共通価値の創造を目指すことになるほかない。金融庁としても、顧客との共通価値の創造を強制はできないが、顧客の利益が創造されているか、そのことを通じて金融機関自身の利益が創造されているかの事実検証を求めることはできる。そして現に求めている。それが、金融庁のいうKPIである。

関連記事