コムジェスト・アセットマネジメント株式会社
Richard Kaye氏インタビュー

interviewer:HCアセットマネジメント㈱ photographs:佐藤亘
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Q1. 御社の投資哲学および投資プロセスについて教えてください。

Q1. 御社の投資哲学および投資プロセスについて教えてください。
コムジェストでは株式市場の前提でもある、長期的には株価は企業の利益に収れんされる、ということを確信していることから、持続的に高い利益成長が出来ると考えられる企業、「クオリティグロース企業」を発掘し、より質の高い企業を厳選、長期投資することで長期的に高いリターンを低いリスクで獲得できると考えています。持続的な利益成長が可能だと考えられる企業は、他社には真似できないビジネスモデル、参入障壁を持った企業や、各業界で構造的な変化をもたらしている企業になります。
コムジェストは約30年前に設立されたフランス初の独立系資産運用会社で、設立来一貫してクオリティグロース企業への長期投資という投資スタイルの向上に努めてきました。逆にそれ以外のことには取組んできませんでした。創業者であるジャン・フランソワ・カントンは、会社設立以前から日本株の調査を行ってきましたが、日本の株式市場においてもこの投資スタイルでのアプローチが有効だと考えていました。その理由は、数ある機関投資家の中で同じ目線で調査・投資を行っている投資家が限られていたからです。
このクオリティグロース企業にフォーカスしたコムジェストの投資アプローチはとてもシンプルなものです。他の機関投資家が意識しなければならない短期的なパフォーマンス、マーケットサイクルやベンチマークを無視することができることから、運用担当者は企業調査と業績予想に集中することができます。日本法人を設立して10年以上が経ちましたが、日本法人があることで、新たな投資アイデアの発掘、投資先企業や投資候補企業のモニタリングに重要な企業訪問を丹念に、そして頻繁に行うことができています。詳細な企業調査を経てチームの合議によって厳選した約80社の投資ユニバースは、各社5年間の業績予想を作成しています。この業績予想を元に配当割引モデルを使用し、バリュエーション評価を行っています。ポートフォリオは30-40社で構成されており、企業の成長性、バリュエーション、透明性の3点のバランスで組入れ銘柄及び投資比率を決定しています。

Q2. 今どこに投資機会を見出していらっしゃいますか。なぜ貴社日本株戦略に魅力があると考えていらっしゃいますか。

いくつか代表的な例を挙げますと、主に国内における構造的な変化の恩恵を受ける企業や、アジアにおける消費増加の恩恵を受ける企業が挙げられます。具体的に国内における変化の恩恵を受ける企業とは、国内中堅中小企業における事業承継問題への解決ソリューションを提供する日本M&Aセンターや、中小企業の事業効率化が図れるソフトウエアを提供するオービック等が挙げられます。アジアにおける消費増加の恩恵を受ける企業としては、化粧品メーカーのポーラ・オルビスホールディングスや乳幼児用品メーカーのピジョンが挙げられ、両社の製品はアジアにおいて人気があります。
こういった投資テーマは、持続的な質の高い成長機会であると考えています。
私たちの日本株式運用の強みは、構造的かつ持続可能な成長か、他社には真似できないビジネスモデルか、といった明確な投資基準を持っていることにあります。そしてベンチマークに縛られることなくアイデアの発掘を行っているため、一般的な成長株投資では着目されることが少ない“国内における変化をけん引している企業”などにも投資することができていると考えています。
明確な投資基準とセクター制限などがない自由なアイデア発掘ができることから、持続的な成長から恩恵を受けられるポートフォリオが構築できていると考えています。また、コムジェストで運用している全ての運用戦略が同じ投資哲学、プロセスで運用されていることから、他の地域の運用担当者と密に連携することで調査の確度を高めることができている他、アイデアの創出に繋がっていることも強みだと考えています。

Q3. なぜこの業界で働こうと思われたのでしょうか。

Q3. なぜこの業界で働こうと思われたのでしょうか。
私は組織というものが、人と人との組み合わせ(コンビネーション)、組織のカルチャー、リーダーの考え方などで大きな力を発揮したり、イノベーションを生み出したりするということに興味があり、数字では表しにくい良い組織・企業に投資してみたい、一緒に成長したいという気持ちから資産運用業界でキャリアをスタートさせました。
また日本企業の調査を20年以上続けていますが、日本の株式市場について、誤った理解やイメージを持った投資家が多いと感じています。 そのため、多くの人にまだ認知されていない素晴らしい企業を発掘できるチャンスが多くあり、日本企業の調査に携わることができることは非常に嬉しいことであり、遣り甲斐があると感じています。

Q4. ポートフォリオ・マネジャーとしての信念をお聞かせください。常に心がけていること、あるいは、しないと決めていらっしゃることはありますか。

Q4. ポートフォリオ・マネジャーとしての信念をお聞かせください。常に心がけていること、あるいは、しないと決めていらっしゃることはありますか。
市場の構造的な変化を捉えて成長することができる、妥当な資本配分、最低限の株主資本を守ることができるクオリティの高い企業に投資することを常に心がけています。また投資をさせて頂く際に、投資先企業の方と一緒に働いてみたいと思えるか、ということを意識しています。
持続的な利益成長が、着実な株価上昇に繋がると考えていることから、保有期間の理想は永続保有だと考えています。
業績に金利、商品市場の影響を大きく受ける可能性が高い銀行、コモディティ関連銘柄は、利益予測が極めて難しいことから投資は行わない方針です。

Q5. どのようにお客様の資産保全を図るかお聞かせください。

何よりもまず投資先企業の理解を深めること、適切なリスクバランス、成長性とバリュエーションのバランスを加味して投資することだと考えています。また、投資する際、私自身が個人的にも投資したいと心底思えるか、ということが大切だと考えています。
企業の理解を深め、持続的な成長が可能かどうか、またリスクを判断する上で、定量的な情報に留まらない多角的なESG調査が、重要な役割を果たしていると考えています。

Q6. 投資に関するお奨めの書籍をご紹介頂けますでしょうか。

Q6. 投資に関するお奨めの書籍をご紹介頂けますでしょうか。
『Winning at Active Management』 Bill Priest著
この本は、ファンドマネジメント会社の組織やアイディ創出の最適化についてユニークな洞察がなされていました。若干コムジェストの創業者にも似ている部分があります。
『The Intelligent Investor』 Benjamin Graham著
この本はウォーレン・バフェット氏がどのように真似され難いビジネスモデル「モート」(堀)を特定しているかを理解するのに役立ちました。私たちの考えている「クオリティ」や資本配分の規律と近いものがあります。
『Capital Returns: Investing through the Capital Cycle』 Howard Chancellor著
この本は特定の産業への過剰投資の兆候について説明しています。論理的な本ですが参考になりました。

Q7. 主に業務に関する情報収集の為に、毎日チェックされている媒体(新聞・雑誌・webサイト等)を教えてください。

Q7. 主に業務に関する情報収集の為に、毎日チェックされている媒体(新聞・雑誌・webサイト等)を教えてください。
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インタビューは以上になります。


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