First State Investments
Sophia Li氏インタビュー

interviewer:HCアセットマネジメント㈱
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Q1. 御社の投資哲学および投資プロセスについて教えてください。

Q1. 御社の投資哲学および投資プロセスについて教えてください。
絶対リターン志向のもと、中長期(概ね3-5年)を見据えた徹底したボトムアップ調査に基づく企業分析アプローチを行います。その際にインデックスを考慮することはほとんどありません。なぜなら、対インデックスのボラティリティーをリスクとして考えるのではなく、お客様からの受託資産を失うことがリスクであると考えているからです。わたしたちの運用哲学及びプロセスは、1988年にスチュワート・アイボリー社がアジア・パシフィック株式戦略を開始したことに始まります。その独自のチーム・カルチャー及び運用哲学はこの四半世紀超にわたってまったく変わることはありません。

投資する際に何よりも重視することは企業のクォリティです。一にも二にもその企業の経営陣の誠実性と力量、そしてコーポレート・ガバナンスを見極めることから始まります。それに加えて、その企業のこれまでのトラック・レコード(経営実績など)を精査し、経営陣が実際にどのようなことを達成してきたのか、逆境でどういった対応をとったのか、といったことに焦点をあてます。今後あるかどうか誰にもわからないような将来のことを予測することに時間をかけ過ぎることには価値を見出しません。継続的な成長力、キャッシュフローの創出力、そして、構造的な成長ドライバー(これは景気後退局面にその耐性を発揮すると考えています)を有する企業を選好します。何より、わたしたちには「ポートフォリオに必ず組み入れなければならない」といった企業に関する制約は一切ありません。なお、ギャンブル、タバコ、コモディティー関連といった企業の組入れは避ける傾向にあります。

Q2. 今どこに投資機会を見出していらっしゃいますか。なぜ貴社日本株戦略に魅力があると考えていらっしゃいますか。

Q2. 今どこに投資機会を見出していらっしゃいますか。なぜ貴社日本株戦略に魅力があると考えていらっしゃいますか。
日本における投資機会を考える場合、過去の「失われた20年」の局面にあっても成長を遂げ続けることができた勝ち残り企業があります。それを可能にした、革新的な事業モデルと適応力に優れた経営陣に着目しています。こうした企業はその業界再編を主導し、長期的な勝ち組となるでしょう。また、構造的な投資テーマとして挙げられるのは、ファクトリー・オートメーション、Eコマース、自動車電子部品といった、グローバル競争に伍するだけの優位性を持った日本企業のお家芸と呼べる分野です。消費財、小売分野の企業についても魅力的な長期投資の対象となるでしょう。アジアを中心とした海外展開を推進することで、消費パワーを有し、かつ、日本の文化と「日本製」の商品を嗜好する中間層の拡大からの恩恵を享受することが期待できます。逆張り的な発想としては、競争が激化している成長分野よりも、成長性の低い成熟した分野のなかで、ニッチな強みを有する企業のほうが良い投資となるケースもあると思います。

わたしたちの運用プロセスは、徹底した企業調査から始まります。この4年間で年間平均約200件の日本企業とのミーティングを継続的に行っています。独自の調査と運用チーム内での頻度の高いディスカッションを通じて、確信度が最も高い企業のみをポートフォリオに組み入れます。逆に組入れを行わないという判断も重要です。メガ・バンク、コモディティー関連、エネルギー関連企業に対するエクスポージャーはゼロとなっています。当該運用チームは、アジア株式運用の豊富な投資経験とスキルを持っており、アジア企業がどのように海外展開を行ってきたかといったことに対する深い洞察をもとに日本企業を分析できるといった点も強みと言えます。

わたしたちは長期的な視点に基づく保守的な投資スタンスを有しており、受託資産を成長させることと同程度に受託資産を保全することを大切に考えています。わたしたちのゴールは、優れたリスク調整後リターンを長期にわたりお客様に提供することです。

Q3. なぜこの業界で働こうと思われたのでしょうか。

Q3. なぜこの業界で働こうと思われたのでしょうか。
知力をフル活用してチャレンジすることに楽しみを感じるということがあります。また、自分自身が下す個々の判断・意思決定と明確に測定されるその結果について実際の責任を持つということが好きなのです。(そういう意味では、ポートフォリオ・マネージャーに向いていると思います。)

Q4. ポートフォリオ・マネジャーとしての信念をお聞かせください。常に心がけていること、あるいは、しないと決めていらっしゃることはありますか。

Q4. ポートフォリオ・マネジャーとしての信念をお聞かせください。常に心がけていること、あるいは、しないと決めていらっしゃることはありますか。
お客様最優先、欲張り過ぎないこと、そして、投資に対する情熱、この三点を挙げたいと思います。わたしたち運用チーム全員がお客様の利益を最優先に考えています。わたしたちのアジア株式戦略を例に挙げますと、数年来にわたり、ソフト・クローズとなっている戦略があり、新規資金を積極的に受け付けていませんが、これは適正なキャパシティを考慮した結果、既存投資家の利益を守るためにそうすべきと判断したことによるものです。私自身にとって資産運用という仕事は、単なるキャリアではなく、人生を通じた趣味・情熱のようなものです。ポートフォリオ・マネージャーになるということは、終わりなきマラソン・レースに参加するようなもので、道中は多くのストレスと驚きに満ち溢れています。純粋な情熱を持つことなしには、そのマラソンを楽しむことも、良い結果を得ることも叶いません。様々な業界のことを知ること、企業の経営陣と面談すること、そして、最終的にベストな投資を行うことは、本当に楽しいことです。間違いをおかすこともありますが、それから得た価値ある教訓を今後の糧とすることができます。

今後3年間は、チームとともに日本株式戦略のトラック・レコードを継続的に積み上げていくことにフォーカスします。10年後には日本株式戦略がファースト・ステート・スチュワート・アジア運用チームの看板戦略となることを期待しています。決してすべきではないことは、運用哲学から逸脱すること、短期的な利益にとらわれてしまうことです。こうしたことはお客様の資産をリスクにさらすことになります。

Q5. どのようにお客様の資産保全を図るかお聞かせください。

Q5. どのようにお客様の資産保全を図るかお聞かせください。
お客様の資産を保全することは、わたしたちの運用哲学・スタイルと直結する考え方です。お客様の資産を、スチュワードシップの精神を有する経営陣が運営する企業で、強固な事業フランチャイズと継続的な高収益を有し、バリュエーション面での魅力が高い企業に投資します。運用チームのカルチャーはフラットな組織であり、チーム・メンバー全員がアナリストとして常にチャレンジすることを重視しています。最終的な投資意思決定は担当のリード・ポートフォリオ・マネージャーが、徹底した企業分析と定期的なチーム内ディスカッションを経たうえで行います。運用チームの賞与はプロフィット・プールに3年間留保され、それらはお客様との利害の一致を目的として、チームが運用する戦略に投資されます。

Q6. 投資に関するお奨めの書籍を1冊ご紹介頂けますでしょうか。

Q6. 投資に関するお奨めの書籍を1冊ご紹介頂けますでしょうか。
“Money Masters of Our Time” ? John Train著
“Common Stock and Uncommon Profits” ? Philip Fisher著
 『フィッシャーの「超」成長株投資~普通株でふつうでない利益を得るために』(荒井拓也監修、高田有現・武田浩美訳、フォレスト出版)
“One Up on Wall Street” ? Peter Lynch著
 『ピーター・リンチの株で勝つ』(三原淳雄・土屋安衛訳、ダイヤモンド社)

“Money Masters of Our Time” は偉大なトップ投資家による投資スタイルに関する独自の考察が参考となり、ほかの2冊は投資スタイルと企業分析の方法に関して、二人の長期投資家が語ったもので、私自身もそれに近い考え方を持っています。

Q7. 主に業務に関する情報収集の為に、毎日チェックされている媒体(新聞・雑誌・webサイト等)を教えてください。

Q7. 主に業務に関する情報収集の為に、毎日チェックされている媒体(新聞・雑誌・webサイト等)を教えてください。
「フィナンシャル・タイムス」と「日経アジア・レビュー」







インタビューは以上になります。



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