First State
Alan Nesbit氏インタビュー

interviewer:HCアセットマネジメント㈱ /写真提供:First State
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Q1.御社の投資哲学および投資プロセスについて教えてください。

Q1.御社の投資哲学および投資プロセスについて教えてください。
私共の投資哲学は、長期にわたって優れた絶対リターンを投資家に提供するとともに投資元本を保全することです。指数の動きや相対的な優位性を追っているのではありません。見極めようとしているのは持続的に成長しうる優良企業で、先ず、過去業績の分析から入ります。特に、経営陣が成し遂げてきた業績や社風に注目します。業績だけではなく、コーポレートガバナンス、サステイナビリティ、環境配慮といった面にも企業のリスク態勢や企業文化が表れますね。経営陣に対する理解や信頼が深まれば、投資額を増やしても安心ですし、短期的な事象に惑わされなくなります。私共の投資哲学に従えば、内需関連、特にブランド力の高い企業に行き着くことになりますが、こうした企業は、可処分所得が増えたり人口が増えたりすると成長の恩恵を受ける質の高い企業といえます。キャッシュフローを生み出す事業を好んでおり、経営陣の株主還元策を重視します。一方で、石油やガス、資源関連の投資が少なめなのは、新興国特有の政治上のリスクがあるからです。

投資は、企業訪問を繰り返すなど、独自調査に基づいて進めて参ります。チーム全員がアナリストとして、成長力があって社風が良いと考えられる企業を厳選することに貢献しています。そして、弊社についていえば、経験豊かなチームメンバーのアイデアに対して、果敢に挑んでいく社風を大切にしています。投資プロセスの中心は、提案されたアイデアに対してチーム全員で白熱した議論が行われる部分です。最終的な投資判断はファンドマネジャが下しまして、チームの合意は前提としていません。

この投資哲学で、20年にわたり投資をしてきました。短期では必ずしも指数より良いリターンを出してきたわけではありませんが、市場下落時には下支え効果を発揮しており、長期では絶対リターン、相対リターン共に良好な結果を残してきました。

Q2. 今どこに投資機会を見出していらっしゃいますでしょうか。なぜ新興国株式が良いのですか?

Q2. 今どこに投資機会を見出していらっしゃいますでしょうか。なぜ新興国株式が良いのですか?
短期的にいえば、新興国株式市場の株価水準、なかでも私共が好む消費関連セクターの取引水準は高すぎますね。投資しても良いと思えるような国やセクターは特にありませんが、質が高くて適正水準で取引されている銘柄はあるにはあります。新興国市場に魅力的な投資機会が無いと申し上げている訳ではないのですが、ベストな企業は高すぎますね。市場が調整すれば、私共が好む企業群の株価は適正水準に近づくだろうと思います。世界で最もダイナミックな企業は、新興国市場の消費拡大から恩恵を受ける企業であると信じています。売上の50%以上が新興国市場から生み出される企業を全て投資対象としているのですが、先進国上場で新興国事業を拡大している企業のほうが安く取引されていますよね。

新興国市場の定義がどんどん広がってきていることについては良く考えなくてはいけませんね。新興国市場で成功した多くの企業が世界の一流企業に成長してきています。これからも増えていくと思います。同時に、先進国企業が新興国で急速に成長する事例も増えています。優れた新興国市場運用者は、変わりゆく市場のダイナミズムに対応していく必要があります。

Q3. この業界で働こうと思われたきっかけについて教えてください。

Q3. この業界で働こうと思われたきっかけについて教えてください。
事業に興味がありましたし、どういう会社が優良会社になるか理解したいと思っていました。人と会ったり、いろいろな質問をしたりすることも好きです。アナリストになるための修業は積んでいないのですが、ファンドマネジャのアシスタントから、ファンドマネジャになり、もう何年も経っています。当初は米国株式を担当していたのですが、この分野では、誰よりも知っている地位に到達するのはとても大変なことです。なので、新興国市場の専門家になって、もう少しやりがいを感じることにしました。新興国のほうが調査訪問も楽しいですし!

Q4. 新興国株式に投資する際、最大のリスクは何だと思いますか?

Q4. 新興国株式に投資する際、最大のリスクは何だと思いますか?
私共にとって、リスクとはお金を失うことです。株価がひどく高いような場合には、遠くない将来にお金を失うのは明らかです。長期的にみた場合には、質の高い企業を厳選しているのであれば、企業自身が高い評価を得るまでに成長し、プラスの絶対リターンがもたらされるはずです。
投資プロセスの過程で、個別株の議論をする際、様々なリスクについて検討します。特定のマクロ要因であったり、産業特有の懸念であったりです。最大の懸念は、全ての保有銘柄に当てはまることですが、世界同時インフレが発生する可能性と、金利が上昇する可能性など投資先にどのような影響が出るかという点かもしれません。

Q5. グローバルエマージング株式運用副ヘッドとしてのアランさんの信念をお聞かせください。常に心がけていること、あるいは、しないと決めていらっしゃることはありますか。

Q5. グローバルエマージング株式運用副ヘッドとしてのアランさんの信念をお聞かせください。常に心がけていること、あるいは、しないと決めていらっしゃることはありますか。
運用部門の信念であり、私自身とても重要だと信じていることは、お客様のご資産をお預かりする保管会社としての義務を果たしている、ということです。お客様のご資産は、自分の資産と見なして投資します。長期インセンティブのかなりの部分がファンドに投資されていますので、お客様と同じ立場で投資を行っているのと同じことになります。

常に心がけていることは、新しい投資の機会を探し続けること、当社の社風を体現できるチームを作り上げ、これまでの経験を若いメンバーに伝えていくことです。

経営者を信頼できない企業にお客様の資金を投資することはありません。いかに株価が安くてもです。

Q6.どのようにしてお客様の資産保全を図るかお聞かせください。

Q6.どのようにしてお客様の資産保全を図るかお聞かせください。
運用する目的は、お客様のご資産を増やすことと、保全することの両方です。私どもの運用プロセスに従えば、本質的にリスクが低い企業を厳選することになり、バリュエーションについては厳格な規律が適用されます。20年にわたる運用実績を見ていただければ、こうした規律を持った投資スタイルを貫いてきたことにご納得頂けるかと思います。

保守的な銘柄選択に加えて、適切に分散することを求めるルールも存在します。リスク低減を図りつつ、確信度の高い銘柄に投資することにつながっています。




インタビューは以上となります。





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