KPI(Key Performance Indicator)

2018/03/14更新
金融庁は、金融機関が真に顧客のために提案し、それに顧客が従ったときは、結果として顧客の利益になったことを何らかの指標で測定評価できるはずだと考えており、この指標をKPI(Key Performance Indicator)と呼ぶ。顧客の判断について、金融機関の利益の方向で誘導するのがプッシュ型、顧客の利益の方向で誘導するのがプル型とすると、金融機関の主観的な意図の差を明確に「見える化」すべきと考えているのである。顧客本位の徹底は顧客との共通価値の創造につながるはずだから、KPIは、顧客の利益の創造を測定するだけでなく、共通価値の創造を通じて金融機関自身の利益創造になっていることも測定できなくてはならない。金融庁にとって、行政の目的は金融機能の高度化を通じた国民の経済的厚生の増大であり、その高度化の担い手である金融機関の経営改革を促すことは決定的に重要なのである。金融機関の淘汰が進むと予想されるなかで、プッシュ型とプル型を区別する客観基準をKPIを通じて職員の体感知の次元で確立したものは淘汰されることはない、淘汰されるどころか、日本の金融の中核的担い手として成長していくということである。

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