ゆうちょ銀行

2017/08/10更新
ゆうちょ銀行は、屋号に銀行の使用が認められていて、貯金の受け入れを行っているが、銀行の本質的な機能を、融資業務、即ち、預金をもととした信用創造に求める限り、銀行ではありえず、銀行としての固有の企業価値はない。金融規制上、新業務の範囲が狭く限定されているなかでは、新しい企業価値の源泉としての選択肢は、投資運用業等に限られる。このような背景から、三井住友信託銀行と野村ホールディングスと投資信託を開発・運用するために、2015年8月JP投信株式会社を設立した。運用する投資信託は、「お客様の真のご意向に応えた、長期安定的な資産形成をお手伝いできるように、ゆうちょ銀行と郵便局のネットワークを通じて幅広く・迅速に提供する」としている。金融庁は、手数料等の最大化を目指す目的で、系列の投資運用業者の投資信託を重点的に販売することについて、非常に厳しい姿勢で臨んでいる。また、金融庁長官が批判した長期投資に向かない分配型(年6回)でもある。顧客本位の業務運営とは言い難いのではないか。

2016/06/27更新
ゆうちょ銀行は、郵便貯金の受入という旧郵政省の業務を継承しているだけであり、その貯金受入も日本郵便の郵便局ネットワークに依存している。そのため、新たな企業価値を創出できない限りゆうちょ銀行自体に企業価値はない。また、銀行の定義が「預金を元に信用創造(融資)すること」だとすると、ゆうちょ銀行は銀行ですらない。歴史的に融資業務を行って来なかったゆうちょ銀行にとって、民間銀行の既存営業基盤が障壁となる融資業務へ新規参入することは事実上不可能であるが、機関投資家としての投資業務ならばそのような障壁は存在せず、人的資源を整えさえすれば、ゆうちょ銀行が参入可能な領域であり、新たな企業価値の芽になり得る

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